待つ
自分のからだの中、頭の中、心の中で発生したり往来する数多ある事象の中で、「きらり」と光るものだけを瞬間的に見極めて、ていねいに身体を通してアウトプットしていくこと。身体を通して空間にその「きらり」をおろしていくような。そういった時間の紡ぎ方をする踊りに心惹かれる。少しでもそういう踊りに近づきたいと、最近の関心はもっぱらそこにある。即興では特に自分は「間」を大切にしようと意識はしていてもついつい「間」を埋めるように、走るように踊ってしまう時がある。ひとつひとつの動きが空気に馴染む前に、次の動きにいってしまう。自分は自分で思っている以上にせっかちで飽きっぽい性分なのかもしれない。踊りに、急がなければならない理由なんてひとつもないのに。
今の自分には「待つ」ことが足りていないのではないだろうか。衝動のその先に、もし何か本当の身体の声、というようなものがあるとしたら、その声を聴いてみたい。踊りの本質を追い続けたい。問い続けたい。
これからしばらくは、様々な「待つ」と向き合ってみようと思う。